♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【愛知県高校入試】現場の声と来年から変わること

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▼ 月曜日から入試
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 いよいよ来週から公立高校入試がスタートします。愛知県の公立高校入試制度は、他県と比べて特殊な制度となっています。今回はその制度の確認と、その制度に伴ってどのようなことが現場で起きているかという事実、そして来年度から制度が変わる予定なので、どう変わるのかについて書いていこうと思います。
 今回は私の頭の中の整理なので、あまり現場の状況が想像しにくいかも知れません。できる限り頑張って書いていきます。


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▼ 出願状況発表
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 今年で言えば、2月21日に入学願書受付締切後の志願者数が発表されました。この後、受験辞退や感染症罹患などによって、当日の受検数に変化はありますが、この日に入試が本格的に始まると言っても過言ではありません。(補足ですが、入試準備という観点で言えば、募集定員の確定や願書受付などの業務があるため、もっともっと前から動いていますが、入試事務局や選抜委員でない先生にとってはこの日がスタートだという感覚があるということです。)
 受検者数が確定した後は、教務主任の先生を中心として事務局の先生たちで、さまざまな準備を行います。受検者のデータを精査すること、当日の掲示物の作成、採点の準備など、当日まで毎晩夜遅くまで準備します。入試事務局の先生たちの負担はとても大きく感じます。


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▼ 何が特殊か?
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 ここまではどの県も似たような流れだと思いますが、大きく違う点があります。それは「複合選抜制度」です。今年を例に説明していきます。愛知県ではA日程とB日程の学校に分けられています。そして、普通科の高校は尾張三河のように、地区を越えての受検ができない制度になっています。(私が現役時代お世話になったサナルの説明サイト載せておきます)
www.sanaru-net.com
 これに伴って、月曜日に学力検査、火曜日に面接のA日程の学校と、木曜日に学力検査、金曜日に面接のB日程の学校とがあるのです。私が受けた時には、先が第一志望校、後が第二志望校という順番でしたが、それは年によって異なります。A日程が先になる年もあれば、B日程が先になる年もあるからです。(ちなみに自分の第一志望校はB日程でした。)


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▼ 入試前日
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 今年は前日が日曜日であったため、金曜日に行いましたが、会場準備を行います。生徒たちとともに大掃除、会場設営を行い、生徒を帰した後に、受験番号を貼ったり、カーテンの不備がないかチェックしたり、当日の動きの確認をしたり、受検生の配慮事項などを確認したりします。いよいよ始まるなという雰囲気が漂います。
 私が1年目の時には、自分の動きを確認するために、廊下を歩いてシミュレーションしました。新卒1年目の先生は、きっとそんなことをしているんだろうと思うと、懐かしい気持ちになります。


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▼ 国語はひたすら採点
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 入試当日は朝早くに集まり、時計あわせをした後、各担当箇所へ分かれてそれぞれの業務を行います。大抵、誘導や点呼確認か、1限検査場監督からスタートし、休憩時間がありつつ、全ての試験日程を消化していきます。
 しかしながら、国語科の先生は動きが少し異なります。学校によって違いますが、国語科の先生は優先的に早く採点を開始するのです。普通は記号が書かれていて、1カ所あたり1秒もかからない時間で採点できるのですが、記述部分となると、空欄でなければどんなに短く見積もっても、30秒はかかるのです。採点作業は最終的に4人がチェックして完了となるため、1人あたり2分近くの差が生まれるため、早めに採点を始めるのです。
 愚痴ですが、過去に13:00から採点をスタートして、休憩を挟みつつ取り組み、気づいたら20:00を越えていたということもありました。他教科の先生方が採点を終え、点数の入力を終えて雑談している中、私たちだけは採点を続けている。当時は本当に腹が立ちました。


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▼ 面接も同様
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 翌日の面接も同様です。質問事項はいくつか決まっている中で、こちらで時間を見ながら選んでこちらから投げていきます。この役割分担はいろいろありますが、一般的には質問する人、記録を取る人、身だしなみや答えていない生徒の観察をする人に分かれて行います。(ここは3人でどう進めるか相談して決めるので、この3つができていれば、どんな分担の仕方でもよいとなっています。)
 面接の控室監督のルールもいろいろ決まっています。いつ教室から送り出すかとか、トイレの時にはどう対応するかとか。どの場所にいてもなかなか大変だなと思いました。


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▼ ここからは来年の話
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 これまでは、経験談を書いてきましたが、ここからは来年の話を中心に書いていきます。愛知県教育委員会から、来年度入試より公立高校入試の日程を変更するという発表がありました。ここだけでは分かりにくいので、私学入試も含めて、中学生視点で日程を観ていこうと思います。


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▼ 私学入試の日程
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 推薦入試の願書受付が1月11日からなので、年末から願書の作成や点検を行うことが考えられます。13日には締め切りとなり、16日以降に試験が行われます。合格発表は1月18日だそうです。今年よりも2週間早い日程です。
 また、一般入試は受付が13日から受付、締め切りが18日以降。試験日は1月の20日、23日、24日です。合格発表は25日から27日の間です。つまり、1月中には私学へ進学する生徒の進路が確定するのです。


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▼ 公立入試の日程
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 まず、連携型中高一貫教育校については、早い日程で進んでいきますが、一般的な学校に視点を置いて書いていきます。
 いわゆる推薦入試と呼ばれていたパターンが「推薦選抜」「特色選抜」「外国人生徒等選抜」「全日制単位制選抜」です。出願は、2月1日2日で、面接が6日、合格発表が8日です。今の入試制度では推薦も一般も同日に行い、同日に合格発表でしたが、これが別になるという形です。
 次に、一般選抜は出願が2月10日、13日で、学力検査が22日、面接がA日程24日、B日程が27日です。ここで気づいた人もいるかと思いますが、学力検査が1日しかありません。これは第一志望校で受検するというルールに変わったためです。第二志望が多い学校では採点の数が極端に減るというです。そして合格発表が3月9日となります。
 今年の日程ではA日程7日、8日、B日程10日、11日で、合格発表が18日であるため、B日程は1週間で処理をしています。これが10日間に伸びます。この時期には卒業式、年度末の成績処理が重なってくるからだと言えます。本校は学年末考査が2月22日まで、成績処理が3月2日までだったのでよく分かります。あれ?来年の学年末考査は早くなるのかな?遅くなるのかな?


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▼ 中学校の声
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 最後に中学校の先生の悲痛な叫びを書いて終わろうと思います。日程を書いていて強く感じたのですが、中学3年生の3学期はほとんど入試で、思い出作りなどできません。愛知県の多くの生徒は私立一般入試から公立一般入試という流れで入試に挑みます。そうすると、1月20日から2月27日までが入試期間で、3月3日頃には卒業式を迎えるのです。学年末考査の日程も、3年生を送る会の日程も、本当に組むのが難しいのです。しっかりとここの部分を考えて、日程を組んで欲しかった。
 いろんな立場に立って物事を考えていく必要があるため、上に立つって大変なことなのだと改めて感じました。



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