♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【キャリア教育】先生の働き方に対する感覚

◯お断り
今週は部活動のことを書こうと思っていましたが、来週が大会であることと、書きたいことができたので先にこちらを書くことにしました。今週もよろしくお願いします。


働き方改革とは
●進む勤務時間の削減
小中学校の先生方の時間外労働が大きく取り上げられて以来、先生の働き方改革が話題に上がるようになりました。具体的に言えば2つ。①早く帰りなさい。②休みをたくさん取りなさい。どのような対策が取られているのでしょうか。

●中学校の大改革(部活動編)
私が中学校へ異動となったちょうどその年は、部活動のガイドラインを遵守しようという流れができ始めた時でした。
まずは土日どちらかがお休みとなり、平日も1日はお休みを取るよう指示がありました。そして、翌年から朝練習がなくなり、平日は2時間以内、休日は3時間程度が奨励されるようになったのです。
また、部活動には必ず先生がついていなければならないことから、以前は部活動後に会議を行っていたようですが、会議の日には部活動はなしになりました。

●高校は管理職に管理されている
中学校の先生は全員が学校の鍵を持っていましたが、高校では基本的に教頭先生だけが鍵を持っています。あとは学校を開けるための鍵が他にあっても自由に使うことはできないのです。ゆえに教頭先生が本腰を入れれば、在校時間はかなり削減されるのです。


長時間労働に違和感がなかった理由
●長くたくさん働くのが良いとされた時代
教員に関わらず、高度経済成長期からたくさん生産すればたくさん物が売れ、たくさん儲かるという時代背景がありました。だから、長時間働くということに対して違和感がなかったのだろうと推測されます。晩ご飯を一緒に食べに行った後、残りの仕事をするという感覚だったのでしょう。

●かけた時間と教育的効果
もちろん、だらだらと仕事をしていたわけではなく、生徒たちにたくさんの時間をかけて指導を行いました。時間をかければかけるほど、できることが増えていき、もっとやればもっと良いものができるのではないかという無限の可能性を感じてしまいます。ここが先生としての醍醐味であり、中毒性のある部分だと思います。

●リスクマネジメントの側面
特に中学校勤務時代に感じたことは、リスクヘッジのためにあえて早く(遅くまで)学校にいることの大切さです。例えば、受験の前日に忘れ物がないか散々確認していても、当日の朝に忘れ物に気づく生徒がいます。そこで、朝早くに出勤をして、忘れ物をした生徒が電話をしてきても対応できるようにしておくのです。これは通知表を渡した時も同じで、保護者が評価を見て、疑問を抱いて電話した場合、対応できるように少し遅くまで学校に残るのです。
こういった「もしも」の時の想像力は、勤務時間削減を再三にわたり言われてきた私たちにとっても必要な力だと思うし、だからこそどのような形でそれを受け継いでいくかを考えなければならないと感じています。

●尊敬できる上司像
先に述べた想像力を備えている人は、どの人も尊敬にあたる先輩、上司ばかりでした。クラスが大変な時に、さりげなくフォローしてくださる方、夜遅くまで仕事をしていた時に、気にかけて声をかけてくださったり帰るタイミングをわざと合わせてくださったりする方、繁忙期に担任団を気づかって、雑務を済ませておいてくださる方など、相手の立場で物事を考えられる方は本当に素敵だなと感じました。そして自分もそういう立場で物事を考える覚悟と意識が必要だと強く考えています。


◯これからの先生の働き方(提言)
●妥協とルール
先ほどの「かけた時間と教育的効果」でも述べた通り、先生という仕事は時間をかけただけ結果が伴うものであって、たくさんの時間と労力を割きたくなります。一方で、勤務時間を言われたり足並みを揃えろと言われたりして、ある一定のところで妥協せざるを得なくなることもあります。でも、こう考えたらどうでしょうか。
「決められたルールの中で最高のものを作ろう」
妥協と言ってしまえば、自分の100%を出し切れた感じがせず、不完全燃焼のような気がしてしまいます。でも、ルールの中でできることは全てやろうと考えると、不自由だからこそ出てくるアイデアによって、最高のものが作れると思うのです。
もちろんそのためには、自宅で仕事をするということも必要になってくると思います。それは"仕事を持ち帰れ"ということではなく、YouTubeで見た動画から仕事のヒントを得ることや、本を読んで明日使える良いフレーズに出会うことだと思います。

●仕事と思うな趣味と思え
これは正直、仕事内容によることなので、当てはめられる人とそうでない人がいると思います。先生になる人の多くは、こどもが好き、専門教科が好き、部活動が好きなど、何か好きな気持ちが根底にあるはずです。(まさか1年目から楽したいと思って先生になる人はいないと思いますが…)
だから自分の好きなことを仕事と思わず働けたら幸せだなと思っています。もし趣味だと思えたら、負担感が減ります。趣味というのは、好き勝手にやるということではなく、やらされる環境を潰して、自分のペースで進められるよう環境を整えるということです。
例えば、私は古典が好きなので、その魅力が伝わるように楽しんでやっています。そして文章を書くことも好きなので、黒板にメッセージを書いています。
でも、部活動のバレーボールはやったことがないし、行ってもボール拾いしかできないから嫌いで、生徒指導もやってはいますが、何となくしっくり来ず、これも嫌々やっているというのが本音です。
全ての仕事を好きになるのは難しいですが、好きなことは自分のペースでやれるよう、事前に準備しておきたいし、やらされないようにどんどん勉強していく必要があると思います。この努力ができない人は、いつまで経っても苦しいままだし、先生を続けることは難しいのかなと思います。
私自身努力が足りませんが、やらされている感覚はないので毎日がとても楽しいです。努力すればもっと楽しくなるだろうと思っています。頑張らねば。


◯まとめ
今回は働き方について考えました。先生という仕事は、勤務時間が決まっているとは言え、お休みの日にたまたまでくわしても「あ、先生だ」と思ってしまいます。それは卒業してからもそうです。だから先生に、本当の意味での勤務時間はないのだろうと思います。だからこそ、どこかでルールを設けて線引きをし、プライベートを過ごす必要もあると思います。他の職業とは違う独特の仕事ですが、これからもどんな働き方が良いかよく考えて生きていきたいなと思います。


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