♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【免許更新】心理⑤バイアス・エラーについて

帰納的推論
 ・太郎君はお酒やたばこを一切口にしない
 ・太郎君の母は管理栄養士で、三食食事を作ってくれている
 ・太郎君は陸上部に所属している
ここから、太郎君が健康であることを判断することを「帰納的推論」と言います。
ただし、ここに「太郎君は病院へ通っている」という文があると、断言ができなくなります。よって、帰納的推論は可能性があるとしか言えないものなのです。こういった推論を証明するためには、反証事例を集めるのではなく、確証事例を集めがちです。言い換えれば、これが正しいとする証拠を集めてしまいがちだということです。これを「確証バイアス」と言います。バイアスとは偏りを表します。

〇演繹的推論
 ・すべての生き物は必ず死ぬ
 ・家で飼っているイヌは生き物である
 ・家で飼っているイヌは必ず死ぬ
主張や考えが正しいことを前提として、論理的に正しい方法によって必ずいえることを結論として導くこのようなものを「演繹的推論」と言います。
しかし、この場合にもバイアスが発生します。
●4枚カード問題
 4枚のカードがあります。片面にアルファベットが、残る面には数字が書かれています。
 「E」「K」「4」「7」
あなたは、次のルールがまもられているかどうか調べなければなりません。
・もしカードの片面が母音ならば、もう一方の面は偶数でなければならない。
ルールが守られているかどうかを調べるために、最低限めくらなければならないカードを答えよ。
答えは「E」と「7」です。
「E」の裏は偶数であるか、「7」の裏は母音ではないことを調べるためです。
「K」は子音だから関係なし、「4」は裏面が子音であってもこのルールには関係なしなのですが、「4」が納得いかない人がいるのですね。まだわからない人いますか?
もしカードの片面が子音ならば、というルールは全くないということですよ!
でも問題文の「母音」「偶数」に引っ張られて間違ってしまうことを「マッチングバイアス」と言います。
これが実用的なものであれば、勘違いしにくいのですが。(実用的推理スキーマというらしい。)


〇まとめ
 4枚カード問題は、最初理解できませんでしたが、こういった表現にだまされる心理というのは面白い現象だなと思いました。こういうのが課題でできれば面白いのにな。