♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【免許更新】心理③文字と単語の認知過程

〇文字判断に関する用語
●心内辞書
 人は心の中にある(出会ったことのある)言葉から探し出すことで文を理解しています。
例えば、「がろうたをたべたごりん」と書いてあると、「がろうた」?「たごりん」?となってしまいますが、「たろうがりんごをたべた」とあれば、すぐに理解できるということです。

●単語優位効果
 同じように、文字を認知するときに、「がろうたを…」の文で、どんな文字があったのか?を聞かれるよりも、「たろうが…」の文の方が答えやすいですね。これを単語優位効果と言います。

●文脈効果
 文字列がwor?となっていたら、おそらくworkかwordだろうと推測できることを文脈効果と言います。

●表記形態の効果
 携帯電話を表す表記として一番親しみのあるものはどれか?
 「携帯」「けいたい」「ケータイ」
 たぶん3つ目だろうと思います。これを親近性と言います。

トップダウン処理とボトムアップ処理
 「w」「o」「r」…と見たときに、これは単語だと認定するプロセスを「トップダウン処理」と言い、「wor?」はworkかwordだろうと推測するプロセスを「ボトムアップ処理」と言います。さきほどの文脈効果は、ボトムアップ処理だったわけですね。


〇文を認定するプロセス
●統語処理と意味処理
 「は私カレーです好きが」のように文として並び方が規則に従っているかどうかを判定する作業のことを「統語処理」と言います。また、「私のカレーは笑っていました」のように、文の形ではなく、比喩とは異なり言葉の選択や使い方の適正判断のことを「意味処理」と言います。それにしてもよくわからない文ですね。

●ガーデンパス現象
 最後に次の文を説明してみましょう。
「少女が母親を探した少年を見つけた」
これは少女が少年を見つけたという意味だと思われますが、「母親を探した」という文が入っていることで、文の途中で混乱してしまう文になっています。このような現象のことをガーデンパス現象と言います。


〇まとめ
今回も多くの新しい用語を学びました。言葉は心の中に辞書としてあるという考え方は、よくよく考えてみれば当たり前のことですが、妙に納得してしまいました。