♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

【一般向け】教員から見た分散登校

※2400字以上あります。

本校では、2週間にわたり分散登校が実施されました。A(奇数)、B(偶数)が午前または午後に登校する形で最終的に全員が同じように授業を受けることができました。今から書く内容は、ある日の1日を教員目線で紹介します。

 

◯朝のルーティー

私は、朝、出勤してすぐに学級通信を印刷します。これまでは黒板へメッセージを書いていましたが、二度書くのは大変なので学級通信にしました。余計に大変な気がしましたが…。

8時半の打ち合わせまでの間に、教室の掃除、黒板磨き、机椅子の整頓を行います。毎日掃除しているのに埃が溜まるのは、どの学校でもあるあるです。

戻ってきたら、クラスの配布物のチェックです。これはAの子に、これはBの子に渡すものだと振り分けます。そして未提出のものがあれば、朝に伝えるのか、昼に伝えるのか確認しておきます。そんなことをするうちに8時半を迎えます。

連絡事項は全員に対するものと、どちらかの生徒に伝えるものの2種類があります。例えば、3限の体育はAの生徒が受ける授業なので朝に連絡をしなければならないけれど、身だしなみの不備のあった生徒へ向けて授業後に指導が行われるため、Bの生徒へ向けて、つまり昼に連絡をしなければならない、ということです。分かりますか?笑

 

◯生徒と進路の相談

朝の打ち合わせの後、すぐに教室へ向かうと生徒が話しかけてきます。「エントリーシート書けました」「やっぱり将来の夢、グランドスタッフ微妙だなと思い始めました」「先生、ノート※書いたよ!」など、話をしているうちに朝のSTが始まります。健康チェック、スマホの片付け、身だしなみチェックなどを経て連絡を素早く伝えます。

※ノートとは、モチベーションノートのことです。

NO.1の内容を転載します。

今日配ったノートは「モチベーションノート」と言います。このノートの目的を2つ伝えます。

①私があなたのことを知りたいからです。

②毎日ノートを書くことを癖にしてほしいからです。

このノートを書くことであなたの不安な気持ち、やる気が出ない気持ちなどを私もあなたも素直に受け止められるようになります。明日からしばらく読めませんが、できる限り毎日書いてみてください。

 

◯前後半の切れ目は3と4

3時間目まで終わったら、すぐにSTです。STを実施せず自由解散にしているクラスもありましたが、中途半端な帰宅は管理に困るし、何か緊急連絡があった時のためには帰りのSTを設けるべきだと考えました。ゆえに、急いで帰りのSTです。もちろんこの時間までにノートはチェックしてコメントを書いています。コメントについて、高校しか経験のない先生には到底考えられない動きですが、中学校で「生活のあゆみ」を全員に書かせていたことが生活リズムに組み込まれているので、帰りまでにはほぼ間に合っています。

 

◯昼食は休暇ではない

生徒を帰したら、空き時間のない先生は昼食ですが、生徒たちは食事中の職員室へ容赦なく入ってきて提出物を差し出します。だから3、4限の授業が入っている先生にとっては、思うように昼ごはんが食べられません。ただ中学校のように昼食の時間にしかご飯を食べられないわけではないので、最悪時間をずらしてゆっくり食べることができます。中学校勤務時代の早食い癖が残る私にとっては、あまり関係ありませんが。

 

◯3度目のSTそして4限へ

昼食を急いで取って教室へ行くと、さっきとは違う生徒が話しかけてきます。さっきも話したよな…と思いながら、同じように進路の相談をしているといつの間にかSTの時間に。そしてすぐに4限が始まります。もちろんこのタイミングでもノートを集めています。断っておきますが、全員は出していないですからね。

 

◯最後のSTからの面談、消毒作業

6限が終わったらST、そして掃除です。感染予防の観点から掃除をなしとすることも考えましたが、やはり掃除はさせたいのできっちり取り組ませました。そしてすぐさま下校で、面談を実施します。コロナ禍で困ったことや、久々の学校生活での悩み、そして進路面談を行います。ここまでで午後4時。終わったら全ての机と椅子、窓の鍵、黒板消しなどを消毒剤(次亜塩素酸…)とキッチンペーパーを使って拭き、雑巾で水拭きをします。

副担任の先生と仲良しなので、自分の担当と副担任の先生の担当を2人で行っていきます。全ての作業が終わって時計を見たら5時直前です。

 

◯帰宅は6時。学校のルール。

教頭先生から、分散登校中は6時に学校を閉めますと言われているので、あと1時間で何ができるかを考えます。欠席者がいたら電話連絡。ホームルーム日誌のコメント書き。明日の学級通信の作成が終わって印刷しようと思ったら時間切れ。また今日もできなかった…明日やるか。課題チェック、明日はもっと早く来てやろうかな。そんな毎日でした。

 

◯勘違いして欲しくないこと

こんな書き方をすると、忙しいことをアピールするように聞こえるかもしれませんが、そういうことを伝えるつもりはありません。今までやってきたことを維持しようとすると、無理が生じることが分かったし、効率よくやる方法を考えておけば、もっともっと上手くやれるということに気づいたのです。実際に、学級通信は、1週間分先見して作り、空き時間に印刷することで、時間短縮できました。

こういう時にはどうしても、ノートを削ったり学級通信を削ったり、生徒との話を削ったりしがちです。でもそれは、3ヶ月後、半年後を見た時に、生徒との距離感や信頼度が全く違うので削るべきではないのです。

もちろん自分はできないからやらない。これも1つの選択肢だし、やることで生徒とのやりとりが中途半端になるならば逆効果です。でも、最初に始めたことを途中でやめることだけはしてはいけません。先生として、生徒を考えて手を尽くす大切さを中学校勤務で学びました。この経験を忘れずにこれからも取り組んでいきたいと思います。長文失礼しました。