♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

1年目はなぜ暇なのに忙しいのか?

1300字を超えています。頑張って読んでください。

 

◯異動して1週間で思ったこと

転勤して1年は暇である。これはよく言われることだし、実感してきたことでもあるから今年は楽ができると思っていましたが、やはりそんなことはありませんでした。新しい職場で1から人間関係を作ることや、どこに何があるかを調べたり聞いたりすることはもちろんのこと、そもそも何をしたら分からないという漠然とした不安に苛まれ、やるべきことがある(のかもしれない)が、勤務時間を終えてそそくさと帰っています。

そういえば早く帰れているのだから暇なのかと思いますが、そんなに単純なものでありません。働いていないのにとてつもない疲労感に襲われるのです。こういう時はビールか?いやお風呂か?カフェインをとろうか?そんなことを考えるうちにいたずらに時間だけが過ぎていきます。仕方なく授業準備をせざるを得なくなります。

 

◯変化を嫌う人間

そんなことを改めて文字に書き表してみると、あることに気づきました。特に「1年生」には同じことが言えるのではないか、と。それは実学年が「1年生」でなくとも、新しく何かを始める人全員が当てはまることだと思うのです。

人間は、変化を嫌います。変化をしなければ昨日と同じように安全な1日を過ごし、生きて1日を終えることができるからです。たとえその1日がアンラッキーだったとしても、生きて1日が終えられたという意味では変化が必要ないと感じるようなのです。

ただ、ダーウィンの言葉「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。」にあるように、変化を常に求め、対応していかなければ生きていくことはできません。

 

◯すべての「1年生」へ

まず新しいことを始める当事者のあなたには、とりあえず配られた資料や言われた言葉からいろんなことを想像することが大切です。経験が豊富な人は、経験を基にいろんなことが見えてきますが、30歳を迎えた私にとって想像できないことがたくさんあります。あれだけ苦労したのに、また1からスタートなのかと思いますから、想像なんてできっこないのです。でも想像するのです。少ない経験から想像するのです。多分これがあるのだろうとか、これが必要だろうとか。そのヒントは今までの経験、そしてもしもメモが残っているならそれを見返してみてください。私は中学生3年生になる教え子たちにたくさん文字を書かせてきました。それは、その言葉が自分の手助けになることを知っているからです。

次に1年生を迎える立場にあるあなたには、ぜひ先にあることをたくさん伝えてください。この先にはこんなことが待ち構えているということを、あと◯◯日という数字でも、自身の経験でも、どんな形でも良いから伝えてください。先が見通せれば(先見ができれば)1年生の気持ちが楽になります。私は今9月の想像をしています。9月のことを教えてもらったからです。そこへ向けて何が必要かを今から考えて行動しようと思います。

 

不安な気持ちを抱いている人のことはよく分かります。あなたの気持ちを聞くことはできませんが、一緒に変化を恐れず頑張っていきましょうね。