こんばんは。言葉を扱う職業人の1人として、じっくり読ませてもらいました。この本は私が大学生の頃に書かれたものなので、少し古いですが、私よりも上の世代が言葉に対してどのような感覚をもっているのかを端的に、具体的に説明した「勉強になる」本でした。
特に私が感銘を受けた内容を2つ紹介します。
「言葉が気持ちを作る」
フランス文学が専門の内田樹先生が、言語表現を豊かにするためのプロセスについてお話しされていたことを話題にしていました。平たく言えば、「主人公の気持ちを言い換えてみよう」とか、「今の気持ちを今知っている言葉で言ってみよう」というのは間違いではないけれど逆なんじゃないか。たくさんの言葉を学んだ上に、生きていく中で「あの時に覚えた言葉ってこんな時に使うんだ」とか「この言葉の意味やっと分かった」という順番じゃないのかということです。
確かに、好きな人ができた時に、◯◯が好きだと意識したり誰かに言ったりすると、その気持ちがさらに高まっていくような感覚を抱きます。前向きな言葉を使っていると、気持ちも前向きになっていくというのも納得できました。
「言葉によって世界を切り分ける」
世の中は言葉によって認識されているという意味の言葉です。←意味が分かりませんね。
最近話題の「新型コロナウィルス」も、名前がついたから、全世界で流行していることが分かっているし、パンデミックという言葉が発表されたから全世界で流行しているとみんなが認識するようになりました。この後、みんなが「終息した」と思えば、実際はそうでなくとも、終息したことになるのです。
今自分が幸せだと思っていれば、どんなに理不尽なことを言われても幸せだと思い続けられるし、反対に自分が不幸だと思えば、どんなに良いことが起きても次は悪いことが起こるに違いないと思ってしまうということでもあります。
このブログでも、できる限りいろんな言葉を使えるよう、日々意識していきたいと思います。