先週のこと。昨年度までお世話になっていた青少年赤十字リーダーシップトレーニングセンター(JRCLTC)に、完全プライベートで参加させてもらっていました。久々の高校生相手に気合いが入りました。
LTCでボランティア企画力を養うVS(ボランタリーサービス)活動では、参加者全員が気持ちよく生活できるよう小さなボランティアを企画する活動です。例えば、食事の座席を意図的に変えていろいろな人と話をするとか、お風呂が混雑するから時間帯を分けた方がいいとかいう提案です。
ある日、この食事とお風呂のVSが上手く噛み合わず、食事の終了時間が遅れ、お風呂に入る時間が減ってしまう事態が発生したのです。その日最後のプログラムではこの事態に対して、ニーズがきちんと考えられていたのか?この活動によって逆にありがた迷惑になる人は出なかったか?ということや、そもそもこの活動にニーズはあったのか?という話も出ました。
ボランティアで大切なことは、普通の人なら、どれだけ取り組んだか、どんなすごい活動をしたのかに注目しがちです。しかし、実はそれよりも大切なことがあります。それは、様々な人の立場に立ってニーズを正確に捉えることです。
例えば、ハンドベル演奏のボランティアをする時に、予定よりも時間が押してしまう場合があります。この時、予定通り演奏を続けて時間をオーバーするのか、それとも時間きっちり終わるようにカットするのかを考えます。この曲を聴くためにここへ来たという人の立場で考えるならばカットはあり得ないと思うのですが、この後予定がある人にとっては時間オーバーがあり得ないと思います。それぞれの立場を踏まえて、自分がどう行動するのかが非常に重要になってくるのです。
私が思うに、今の中高生に足りないのは「臨機応変さ」です。仕事に就いても続けられない。自分を中心に置いて、目の前の面倒なことは避ける。これらの傾向は、成功できる型を教えるのみで、その場に応じて型を直したり作り変えたりする機会を与えられていないことが原因だと考えます。中学校では、型を与えてその通りにやることのみで終わってしまう。高校では、中学校までできていた人がそのまま引き続きやるか、先生から与えられた型通りにやってその場をしのいでいくのです。この現状をどうすべきか。やはりボランティアのもつ教育力も、価値も、もっと幅広く知ってもらう必要があるようです。