♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

しかけ

現在同じ職場で最も信頼する先生とゆっくりお話しする機会がありました、前回の役割にも通ずる話で、私の出会う方々は、私の中だけで留めておくのはもったいないと思ったのです。今日も読む方々の小さな気づきが得られたらなと思い、執筆いたします。

その先生の言葉です。

生徒たちがもっと、あいつら楽しそうだなぁ。俺たちはどうすればいいんだ?とか、あいつらすげぇなぁ。俺たちも頑張らなきゃ。という声が上がるように、仕掛けをたくさん作る必要があるんだ。彼らがワクワクするものを、自分たちだけでは作れない。もっともっと、先生たちに働いてもらわないと。先生という仕事は、(もちろん勤務時間は大切だけれど)過剰労働とかそういうことをあまり考えずにやる仕事だと思うからね。

そんな趣旨の話を聞きました。それは私の理想でもある、当日は生徒たちだけで動けるように、放置するのではなく、細かな指導を施して理想とする形を暗に伝えておくことに繋がると思います。そのためにはまず、自分の理想を描き、それが生徒1人ひとりに当てはめて実現可能な形を考える。そしてそれをこっそり伝えたり気づかせたりして動けるように仕掛けておくのです。私は若いのでまだまだ時間がかかりますが。

私が2年目に付いた先生もそんなタイプでした。一見放置しているように見えても、こう指示したら生徒はこういう反応をするから次にこうして…と予測を立て全て計算し尽くされた場面を演じさせていました。また、全てにレールを敷くのではなく、ここからはやらせてみてから考えようという余裕さえありました。

私はこの5年間の集大成を、明日、生徒に託します。彼らにとってみればその瞬間が勝負で、これが3年間の成果だと捉えているに違いありません。しかし、これは私が2年間の経験を踏まえて「しかけ」た5年分の想いです。

上手くいくだけが全てではありませんが、彼らが良い意味でも悪い意味でも裏切ってくれることを期待しています。どう転んでも、それは私への通知表ですから、受け入れざるを得ません。ドキドキ。明日が楽しみです。おやすみなさい。