キャリア教育 その2

今回は、本校の総合学科の特色である総合学習を紹介します。第一弾は「産業社会と人間」略して「産社」です。

この授業は、本校では1年次の毎週月曜日の5、6時間目に履修すべきものと定められています。文部科学省のページには目標が以下のように示されています。

 

1 目標
自己の生き方を探求させるという観点から、自己啓発的な体験学習や討論などを通して、職業の選択決定に必要な能力・態度、将来の職業生活に必要な態度やコミュニケーション能力を養うとともに、自己の充実や生きがいを目指し、生涯にわたって学習に取り組む意欲や態度の育成を図る。
また、現実の産業社会やその中での自己の在り方生き方について認識させ、豊かな社会を築くために積極的に寄与する意欲や態度の育成を図る。

 

その中には更に3つの要素が含まれています。①職業と生活②我が国の産業と発展と社会の変化③進路と自己実現

簡単に言うと、自分は何者であって(自己理解)、何のために(多様な社会にどのような形で貢献するのか)、何に向かって(自己の進路決定)、何をすべきか(生涯にわたっての目標)を考えていくものです。この言葉は、本校のものをパクりました。すみません。

自己理解のためには、普段の生活、特性、興味を持つことを明確にし、人に伝えられるよう取り組んでいます。それはこんな仕事に向いている、興味がある、という将来に直結することから、自分の意見を通そうとする、他人の意見を聞いてから慎重に行動するなどの人間性に関わることまで様々です。

また、現実に社会で働く方々はどのような思いを持っているのか。必要だと思っている能力は何かも考えさせます。外部講師として様々な方を呼んで、他者のニーズを踏まえた自己実現の形とは何かを徹底的に考えさせます。

もちろん教室の外へ飛び出してボランティア体験を行う生徒もたくさんいます。それは様々な経験を通して、社会での自身の役割を見出していくことにつながるのです。これらの活動を通して、自分がどのような学習を行うべきか考え、系列を選択していきます。系列とは、自分の将来の基礎となる知識を学び自己適性を図る集団のことです。例えば、保育士になりたければ生活科学系列、介護福祉士になりたければ福祉理解系列、アスレチックトレーナーになりたければ健康科学系列といった具合です。

しかしここには大きな落とし穴があります。それは系列に進んだからといってその仕事に就けるとは限らないということです。事実、総合学科は専門的な資格を取れる場合もありますが、そのまま直接就職するためには、更に上級学校へ進学し資格取得を目指さなければなりません。では何のために系列に進むのでしょうか?

答えは、「お試し」という考え方です。この考え方は、職業適性とキャリアプランに影響を与えます。職業適性においては、自分が本当にこの分野で働きたいかを様々な授業を通して確かめる作業を行います。キャリアプランにおいては、今実務経験や専門分野を学んでおくことで、自分に足りない能力は何かを確かめる作業を行います。つまり、自分の将来設計を図る1つの選択肢にすぎないということです。もちろん、保育士になりたい生徒が他系列を選択することがよくあります。それは、より高度な上級学校へ進むためには今、普通科と同じ学習に取り組む必要があると判断された場合です。いずれにしても、将来に向けてまず何を今すべきかを考えることがベースになっているようです。次回は2年次のお話です。続く。