♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

NO.148「3年生0学期」

おはようございます。あけましておめでとうございます。今日から新しい年の1日目が始まります。学校生活もいよいよカウントダウンが始まります。このクラスが積み上げて来たもの、自分が頑張ってきたことが実を結ぶように努力していきましょう。今年もよろしくお願いします。

よく2年生3学期のことを、「3年生0学期」という言い方をします。物理的には4月ですが、精神的には1月から3年生であってほしいという先生方の思いからです。3年生として過ごし方、後輩へのふるまい方とは一体どんなものでしょうか?今日の学活の時間に少し考えてもらいたいと思います。今年1年はとてもよい年になります。今日はその「予祝」をする1日としましょう。

 

令和2年1月7日 朝の黒板メッセージ

2019年の総括

続きを書きます。1600字あります。暇な時に読んでください。

2019年になって、クラスがだいぶ落ち着いてきました。正確に言えば、荒れた雰囲気に慣れて、自分自身が落ち着いた、というところでしょうか。また、プライベートなことで区切りがついたことも、物事の見方を変えるきっかけとなりました。次の1年は、慣れたことばかりだろうから、積極的に何でも取り組もうと思っていました。そんな矢先、思わぬ話が校長先生からありました。

「生徒指導主事をお願いしたい」

もう今年が最後かもしれない人間に対して、どんな状況があったにせよ、かなり大きな決断をされたのだろうと感じ、快諾しました。その日から引き継ぎを書きながらの仕事が始まりました。

中学校の生徒指導主事は地域とのつながりを感じる瞬間が多くありました。地域交流センターでの会合、夏祭りのパトロールなどなど。PTAの方々ともケータイスマホ安全教室を企画したり昇降口であいさつしたり。本当に多くの方々とお話しできました。

また、市内の小中高、もう少し大きな規模での情報交換もたくさん行いました。1つ言えるのは、SNSにより他校の生徒同士がつながりをもち、悪い意味で遊んでいるということです。やはりケータイスマホとの付き合い方は、異校種が連携して取り組むべき課題だと強く感じました。

最後に、1年目同様に多くの世代と交流できたことを報告して終わります。

まずは保育園、幼稚園。中学2年生の職場体験で伺いました。こどもたちとともに遊ぶだけでなく、遊びに行く前の下準備や指示の出し方を生徒たちが学ぶ姿を見て、保育士や幼稚園教諭の先生方から自分もたくさんのことを学びました。

小学校へは給食を食べに行きました。味が濃く、量が少ないのが特徴でした。ただ、小学生たちは決められたルールの中で、流されながらもきちんと取り組んでいて、先生方の努力がひしひしと伝わってきました。国語の授業も見に行きましたが、これも担任の先生が仕込んだシステムが見事に働いていた授業だと思いました。

国語の授業は、他校の中学校にも見学に行きました。校風もありますが、とにかく生徒同士が話し合うことで授業が進んでいく形式をとっていて、発問や時間配分を工夫すれば、主体的で対話的な深い学びそのものだと感じました。

続いて高校です。先生向けの学校説明会に参加しました。自分の教え子たちが、ポスターセッションを行っていました。前任校だったこともあり、短い準備時間の中で、生徒たちの力を最大限に引き伸ばしている先生方の苦労が垣間見えました。

そして大学です。母校の教職センターからの依頼で、中学校と高校の国語について、授業形式の講義を行いました。内容は、扇の的の脚本化と、羅生門のストーリーを図式化するというもの。脚本化は、研究指定を受けていた高校の授業を参考に、実際に中学生へ向けて授業をしたものを体感してもらいました。中学生たちは自分たちのアイデアを劇に生かすという点はできるのですが、教科書本文を無視してしまうという大きな問題点がありました。オリジナルで大切な部分とアレンジの許容範囲を考えることは高校以上に大切だと話しました。一方羅生門では、中学校の5年経験者研修で学んだ、物語を星座に図式化するという授業手法を取り入れて行いました。物語の星座図とは、①冒頭場面②展開場面③クライマックス場面④その後の場面という型を表します。これを高校の1学期で扱う羅生門に当てはめようとしても、複雑すぎて当てはめられないことを体感してもらいました。高校生向けに応用すれば、複雑な星座図を作り上げ、ストーリーを図式化できることも授業をしながら学びました。

来年はいよいよ中学校3年間の流れが完結し、高校に戻るor中学校4年目の突入となります。どちらにせよ、自分の経験を発信する活動は続けていきたいと思います。長文失礼しました。

2018年の総括

こんばんは。本当は今年1年の総括を、と思ったのですが、去年の分がないことに気づいてしまったので、遡って書きたいと思います。

 

2018年は上手くいかない年でした。年明けすぐに中学3年生の入試時期に差し掛かりました。合格という嬉しい報告が増える一方で、乱れていく学校生活。その中でも合格した生徒たちや、学級委員たちに卒業までどう過ごすべきかを考えさせて卒業させる先生方の姿に改めて感服しました。

4月を迎え、初めて中学1年生の担任となりました。ロッカーへの荷物のしまい方、ほうきの使い方、雑巾の掛け方、給食当番の白衣の着方、給食の装い方、配り方、給食のマナー、授業の受け方、返事の仕方、挨拶の仕方、係の仕事、委員会の仕事などなど、これ小学生でやれなくては困るなと思うことを1から教えていきました。きっと教えられてきたのだと思うのですが、全く身になっていないのです。これは、高校の教員として、中学校の先生はなにを教えてきたんだ!という不満と同じだと即座に気づきました。

この年の担当は、生徒指導と生徒会でした。どちらも初めての仕事で、しかも学年の中心として働かなくてはならず、全てが上手くいきませんでした。時には叱るを通り越して、怒ることもしばしば。次第に生徒が離れていき、私の話を全く聞かなくなりました。そんな中で心がけたのは、初任者の時に、校長先生から学んだ「割れ窓理論」でした。ある時を境に、毎日朝早くから教室の窓を全て開け、掃除をし、机と椅子を整頓しました。そして黒板を毎日百均のマイクロファイバー布で磨き続けました。(もちろんその後にコメントを書きました。)だんだん、その姿を見て、自分に味方をしてくれる生徒が増えてきて、なんとか1年間を乗り切ることができたのです。上手くいき始めたのは2019年に入ってからです。

また、この年は、公立高校入試に似せた問題作成にも携わりました。問題作成のために本を読むことも大変でしたが、一太郎を使って体裁を整えることに多くの時間を費やしました。この年の在校時間の5分の1は、一太郎との戦いだったように思います。

 

さぁ、2019年です。つづく。

冬休みの生活について

前回までの復習。

「し」…宿題は計画的に。

「ま」…毎日スマホ、トラブルの元。

「じ」…時間を気にせず、夜更かししない。

「ろ」…6時以降の外出注意。

「う」…家(うち)の手伝いをしよう。

 

今回は、冬休みの誘惑について「しまじろう」を使って説明します。誘惑に負けない14日間にしましょう。

「し」…宿題は明日でいいや。

明日やればいいですが、先送りしてやらない可能性だってあります。宿題はやって当たり前。もう受験に向けて、戦いは始まっています。

「ま」…毎日家は居づらいからおでかけ。でも、たまには家の手伝いも。

家が居づらく感じる瞬間はありますが、大掃除や正月へ向けての準備も協力しましょう。

「じ」…自由だー。何でも自由ではない。

決められた自由の中で、工夫して過ごしていきましょう。

「ろ」…浪費。お年玉は計画的に。

お金の使い方はよく考えて。もったいない使い方は後悔しますよ。

「う」…うまい話、冷静に。SNS特に注意。

うまい話はたくさんあります。おちおちしていると大変なことになります。特にSNSトラブル。意識していないと巻き込まれますよ。

 

学年集会 生徒指導担当からの言葉より

来年へ向けて

みなさんには今日、新しい言葉を2つ教えたいと思います。1つは「予祝」です。「予祝」とは、「予習」の「予」に、「祝」うという字を書きます。この考え方は、日本人が古くから持っている感覚を表します。もう一つは「一年の計は元旦にあり」です。こちらの方がよく知っているかなと思います。どちらともに共通している考えは、将来起こることを、先に考えておくということです。

 例えば、お花見ってしたことがありますか?あれは、本来は花が咲いて喜ぶという行事ではなく、お米がたくさんとれることを祝う行事です。お米の収穫は秋です。でも、日本人は秋に起こる出来事を春にお祝いしておけば、世の中が思った通りになる、という考え方を持っていたのです。つまり、そう思ったらそうなるのです。

 今日から冬休みです。冬休みは、家の掃除をする、今年やり残したことをやり切るなどして、自分はこうしたい、とまず堂々と言える環境を作ってください。そして、1月1日に今年はこうします!と宣言してください。年末年始は誘惑がたくさんあります。今しかできない、何でもやってやろうという気持ちにもなります。でも、元旦に宣言しておけば、その気持ちに負け続けることはありません。そう思ったらそうなるのです。

 最後に、健康には気をつけて、また会いましょう。

 

2学期終業式 生徒指導主事講話より

NO.147「2019年を振り返る」

 おはようございます。長かった2学期も今日で終わりです。体育祭、文化祭そして職場体験と盛りだくさんでしたね。上に掲げられているのは、みんなが頑張った証しです。本当によくやりました。本当にありがとう。体育祭、不運の連続だった中、気持ちを切り替えた1人1人の力。文化祭、なかなか全員が同じ気持ちになれない中、それでも合唱の意味を考えて、1つになっていった団結力。他にも部活動では新人戦・発表会、クラス独自に始めたサンキューデー、職場体験に向けて何度も書き直しになるどころか、やれテストだやれ課題だと、目の前のことでいっぱいいっぱいになったこともあると思います。でもこれは、4月に言った「サンドウィッチの具」をどうするかであり、日頃から言っている「先見力」がどれだけついたかに通じるものであると思います。今まで経験したことを自分から進んで行っていくのが2020年、そして3年生です。来年に向けて、今何をすべきかよく考えて1日を終えてください。

 

令和元年12月23日 朝の黒板メッセージ

NO.146「うれしいクリスマスプレゼント」

おはようございます。今日はすべての授業が2学期最後となります。6限の大掃除も含め、感謝の気持ちを大切に、1日を過ごして欲しいなと思います。日頃から心がけていることが、いざという時とっさの判断でやれてしまうのです。まさに以前話した「無意識有能」の状態ですね。

今朝、ニュースで台風被災地の給食が取り上げられていました。いつもはごはんと牛乳ともう1品つくかどうかで、足りない人は家からおかずを持参するという簡易給食が実施されいるのだそう。給食センターが被災して、来年の9月までこの生活が続くことを想像すると、被災された方々に頭が下がる思いです。その給食に、昨日限定でクリスマスケーキが配られ、子どもたちはとても幸せそうな様子でした。今日は最後の給食。いろんな人の支えによってできている給食を、今日も残さずにしっかりと食べきりましょうね。

 

令和元年12月20日 朝の黒板メッセージ