♯黒板エッセイ

高等学校の先生になった人が最初に読むべきこと

生徒へのメッセージと出版予定の書籍原稿をアップしています。出版社は決まっていません。教員12年目

感謝とは

おはようございます。

昨日の道徳*の感想を読んでいて

「迷惑になるくらいなら、何もしない方がマシ」というものがいくつかあったので、言っておきます。

そのことは、他人が間違った行動をしていても、見て見ぬ振りをすることと同じだということです。あなたたちは、そんな冷たい人になるのですか?

「情けは人のためならず」

これは、人のことをよく考えて思いやりのある行動をしたら、巡り巡って自分に良い形で返ってくるという意味です。私はこの言葉から、「感謝は意識して人に伝えるものではなく、感謝は意識して行動したことで人から伝えられるもの」だと思っています。卒業する前に一人一人にメッセージを書いてもらいます。みんなから◯◯の時は、ありがとう!と書いてもらえるように頑張って生活できると良いですね。

 

 

*ありがた迷惑をテーマに、被災地へ千羽鶴や応援メッセージを送ることは自己満足なのではないかということを考えさせた授業。

 

 

 

勝負に勝ちはしたのだが…

おはようございます。昨日はおめでとうございました。
写真、1枚だけ印刷できたので飾っておきました。1人1人へは明日配ります。
トロフィーと写真・・・やっぱり最優秀賞は嬉しいですね。

そんな嬉しいことに水を差すような話ですが、気づいたことなのでここに残しておこうと思います。
昨日、撮影した動画を早速、例のスピーカーを使って聴いてみました。するとどうでしょう、今まで撮りためた動画と比べて、一番下手ではありませんか。なんだこれは!と耳を疑いたくなるような出来だったことが分かりました。(あのときは良いと思ったんだけどな・・・)

あなたたちは、合唱コンクールという本番で力を出し切れなかったことを考えると、もしかしたら「本番に弱いタイプ」なのかもしれません。いや間違いなくそうだと思います。だから、入試も力を出し切れずに終わる可能性が高い、そんな気さえします。
でも、私が言いたいのは、「だからあなたはダメな人間だ!」ということではありません。
「あなたは、本番に弱くても、目標を達成できるだけの力をもっている!」ということです。

先ほどの合唱で言えば、実力が出せなくとも最優秀賞を取るだけの(会場をざわつかせるほどの)歌唱力はもっていたということです。今考えてみれば、これはすごいことです。
これからはいよいよ受験に向けて本格的に動いていきます。目前に迫ったSテスト、期末テスト・・・。

そして本番は、一番早い人で1/30(あと97日)、遅くとも公立高校入試が3/8(あと134日)です。もしかしたらこれ以外にもたくさんの模試があって、その都度、思うような結果が得られないことだってあるかもしれません。
けれども、一喜一憂してはいけません。自分の力を出し切らなければならない場面で、一番大切なことは、焦らずに今までやってきたことを信じて「失敗したとしても達成できるだけの力を自分はもっている」と自信をもつことです。
今日から教室にお守りを置きます。みんなが第一志望校に合格できるよう、私がお祈りするためです。宗教的な問題があるため、みんなでお祈りしようとは言えませんが、お守りを見て、頑張るぞという気持ちで生活してもらえると嬉しいです。

 

平成29年10月25日 合唱コンクール最優秀賞の翌日の学級通信より(先行配信)

合唱コンクールまであとわずか。

昨日家へ帰る車の中で、体育館で撮った動画を流して聴いていました。初めて撮った音楽室。みんな声を出すことに必死で、とっても苦しそうに歌っていました。私も聴いていて苦しいなって思っていました。次に聴いたのが体育館でのリハーサルのときの声。バランスが取れているのですが、アルトが聞こえない。キレイなんだけれど、やっぱり他クラスと差が少しだけといった状態のように感じました。3,4個目は教室。だんだん声が出てくるようになって、その声色も清らかに美しいものに変わっていきました。5、6個目は昨日の視聴覚室。そして最後に体育館。思わず聞き入ってしまうほどの美しい歌声に、私の身体は震えっぱなしでした。
 思えば朝の雰囲気も変わってきましたね。初めはなかなか歌い出しに時間がかかっていたのに、最近では教室に入るとパートごとに話し合いが始まっていて、車座を作って話し込んでいるみんなを見ていると、あぁこのクラスの担任でよかったなとつくづく思いました。他のクラスから聞こえてくる「2組はいいな」という声も、「2組は絶対最優秀賞だね」という声も、このクラスの1人1人の頑張りのおかげだと思います。本当にありがとう。
 今日は最後の音楽の授業、そして実質最後の全体での合唱練習です。天気予報では、午後には晴れると言っていました。もしみんなが嫌じゃなければ、ラジカセに電池を詰め込んで外で歌いませんか?外は声が響かないけれど思いっきり声を出して気持ちよく終われると思います。今日一日が最高の形で終わりますように。そしてみんながお互いのことを思いやれますように。

2017年10月20日 学級通信より

切り替え

私は他のクラスと比較することは嫌いですが、みんなの気づきのヒントになると思うので、あえて他のクラスがどうだったか話します。

5組は朝7:30の時点で机を全部後ろに運んでいました。何が始まるのだろうと思ったら40分から合唱練習が始まりました。4組は7:35の時点で何人か集まっていましたが、全員が集まる雰囲気はありませんでした。7:45頃覗きに行ったら集まった人だけでパート練習をしていました。

我が2組は、7:50時点で10人以上集まっていて、CDが流れていましたが、練習をしようという人はいませんでした。これは、私が朝練やっていいよ!と言わなかったから集まらなかったのだなと思って見ていました。

その後、8:05になり、全校集会のために整列はいつにするのだろうと思って見ていました。その瞬間、4組、5組が整列して2組の前を通過していきました。慌てて準備して、遅刻こそしませんでしたが、やはり準備不足は否めませんでした。

私が以前から、切り替えをしなさいと何度も言っていることはよく分かっていると思います。ただ、勘違いしていませんか?切り替えとは、その場限りで雰囲気を変えることだけではありません。次の行動にさっと切り替えるためには、必ず事前の準備が必要です。合唱練習も、整列も、課題回収も、授業準備も…。それらをスムーズに切り替えて行動するためには、先を見据える力が必要です。せめて中学卒業までに身につけてもらわないと、特に高校では苦労します。どんどん取り残されていきます。今週1週間は、先を見据えて行動し、切り替えを早くすることを心がけましょう。

 

2017年10月16日 全校集会後の朝のSTにて

体育祭

◯朝のST

今日は6月以来、久々に33人が揃いました。前にも言いましたが、それぞれが全力を出し切ることが今日の目標です。あなたたちには優勝できる力があります。あとはいつもの自分が出せるかです。決して周りに流されず、自分たちのペースで頑張りましょう。

 

◯帰りのST

おつかれさまでした。今日は優勝できませんでしたが、私としては満足しています。一人一人が全力を出したおかげで、33人が揃って、嬉しい結果も悔しい結果も残すことができました。

私は先生として、いつもシナリオを作ってみんなに演じてもらっています。今日をクライマックスにしても良かったのですが、やはり体育祭は運動神経だとか、得意不得意で勝ちきれない部分があります。でも大丈夫です。今度の文化祭は、それぞれが全力を出し切れば必ず優勝できます。私の合唱経験を生かして、全てを伝えようとも思っていますのでついてきてください。

最後に、あえて現実を言います。来週は中間テストです…。

あなたたちには、過去全てのテストで平均点学年トップの成績を修めてきた実力があります。まず文化祭前に学力で一位を取り、文化祭に向けて弾みをつけましょう。ではよい週末を。

 

 

自覚、意識

道徳の時間に、クラスの問題点を話し合わせた後の一場面です。

 

みんなから出た、自覚、意識、これが足りない。私もそう思います。なぜ自覚をもてないのか、意識が高まらないのか答えを言います。これは答えがあります。それは、自覚や意識がなくても何とかなるからです。自分がもたなくても誰かが何とかしてくれるからです。

人間は昨日の自分と同じように今日を生きようとします。それは、昨日と同じならば安全に1日が暮らせるからです。もし昨日と違うことをしたら、死ぬかもしれない。だから変化したがらないんです。

 

じゃあ変わるのはやめよう、そう思うのは当然だ、で終わっていいの?あなたたちには中学3年生はこの瞬間しかないんだよ。僕は担任としては何度も経験できる可能性はあるかもしれないけど、自分の中学3年生には一生戻れない。それが分かっていて、何も変わらなくていいの?もちろん全員が変わることは無理だって分かってる。でも、変わろうと努力することが大事なんじゃない?

そういう人が増えてきたら、きっとこのクラスの雰囲気は良くなる。私はそう思います。この後の6時間目、明日以降の体育祭練習に今日考えたことをつなげてもらえたらと思います。

 

平成29年9月21日5限道徳 徳目:集団生活の向上

JRCのHR連絡会をやってみました。

愛の叱り

今日は道徳の時間に、叱られた時に謙虚に受け入れる大切さを考えてもらいました。叱ることの意味は、相手に成長して欲しい、よくなって欲しいという思いだという意見から更に発展させ、相手のことが好きだから叱るのだという結論までじっくり考えさせました。その時に話した最後の場面を今日は紹介します。

 

 

今日は叱ることについて扱いました。そして愛レベルの叱りは、相手のことが好きだから叱るという話をしました。愛と聞いたらどんなことを思い浮かべますか?まずは親子愛ですね。親が叱るのは、自分たちのことを愛してくれているからですよね。嫌われてもいい、私は好きだからっていう気持ちです。今日はイライラするから叱ってやろう、そんな気持ちは…そんな日もあるかもしれませんが、ありません。

そして、男女の愛ですね。あなたたちはきっとこれから愛することを経験していきます。でも相手に気に入られたいと思って何でも言うことを聞くのは、愛ではありません。大切なことは、自分の思いを、嫌われることを恐れずに伝えること。大好きだからこそ言うんだ、言ってくれるんだということがお互いに感じられる存在。それが愛する人なのだと思います。だから、叱られた時にはよく考えて、叱る時にも遠慮はしないで。そうすればきっと良い愛のかたちができるはずですよ。

 

平成29年9月7日 道徳の授業にて。